延命十句観音経霊験記とは

 

延命十句観音経霊験記は観音信仰を母体にした稀有な体験を綴った書です。

 

この書は、観世音菩薩の視えざる働きが、
観音菩薩を信じる人々の危機的状況に際して

 

延命十句のお経を媒体として直接介入され、
ご自身を信じる方に現象として啓示された「 記録集 」
という位置づけで観ることもできます。

 

 

 

「 霊験記 」の説明の前に

 

先ずは、この記録集を執筆した著者について言及していきますが

 

 

 

この霊験記を執筆した方は白隠というお坊さんです。

 

 

今の静岡の沼津という所の貧しいお寺の和尚さんでした。

 

 

「 白隠禅師と中村天風の共通点 」のページでも紹介しているように
非常に高い境涯に達していて悟後の修行はもちろん、そのご生涯のほとんどを
弟子の育成、更には庶民に届きやすい使える生活禅の普及に心を砕いた方でもあります。

 

 

 

晩年になればなるほど円さが加わり直弟子への指導はまことに苛烈、厳格で
自身が正受老師に指導されたごとく鬼軍曹であることには変わりませんが

 

 

庶民には厳しくつらい修行とかいったことは仰らず

 

 

やわらかく、かみ砕いて見えざる高次の天の法則や
陰徳を積むことの必要性を説くのを常としていたことが分かっています。

 

 

 

さらに私が以前に抱いていた白隠禅師のイメージは

 

「隻手音声(せきしゅのおんじょう)」や
碧巌録などの公案禅のイメージが色濃くあったのですが

 

実際は違っていて

 

中年ぐらいからは、お経を念誦することに注目し
庶民には、これを熱心に称えることを薦めていた
という逸話と事跡が数多く残っています。

 

 

その具体的証拠として挙げられるのが

 

これから、その詳細をご紹介する「延命十句観音経霊験記」でして

 

 

禅師は最晩年の70代半ば頃には、ある九州の有力大名に

 

400字詰めの原稿用紙にして、赤の他人に
なんと!81枚も書き与えて
見えざる高次の天の公理のことを諄々と教え諭し

 

高次の天の理を説くのと併せて

 

延命十句のお経を念誦すること

 

これを大名だろうが庶民だろうが熱心に薦めておられていたことが分かっています。

 

 

 

 

雲水以外だったら大名だろうが庶民だろうが勧めておられたようで

 

実践方法もいたって簡単。

 

( 断眠、断食とか・・修験道・・そういう生命をかけるような

 

厳しい修行や難しいことを伴わせない )

 

 

 

たった10句42文字のお経を気海丹田に向けてリラックスしつつ精神集中し

 

言葉に敬意を払い、折に触れて十句経を念誦し普段の生活において取り入れること

 

これに徹することを庶民に説いておられるんです。

 

 

 

( ※白隠禅師は丹田のことを氣海丹田と表現しておられるので
敢えて、この言葉を用いました )

 

 

 

ある大名に書き送った81枚の手紙も、
このお経を読誦することで周囲に起きたふしぎな奇譚と
このお経を通して働く観音菩薩の導きに対する讃嘆で占められ
その行間に感謝が埋まっていました。

 

とても意外でした。

 

 

 

私の中では白隠禅師と言ったら不動明王のごとき気迫と闘志の権化
というイメージも強く公案禅だったり、あるいは軟蘇(なんそ)の法などの
イメージを用いた瞑想というのが先行し
お経などの念仏的なことは重視しないという固定観念がありましたから

 

 

 

なお、なぜ、こんな古めかしい本から、このページのテーマにした
「 十句観音経の恩恵作用 」をわざわざ紹介するかと申しますと

 

 

 

 

 

十句観音経の恩恵については、本なども数多く出版されてるし
ブログなどを20〜30ばかし、ざっと拝見したところ

 

 

 

これを唱えることで危機を脱したり、導きを感じた・・という報告が数多寄せられてるようですけど・・
そういう場合はルーツを辿ったほうがよい。
どんどん、ろ過消毒されてしまう・・

 

というのは「 鉄則 」なので辿ってみた上で

 

泉源を辿りに辿っていくと

 

先に紹介した白隠禅師がある九州の有力大名に書き与えた長い手紙

 

 

 

今を遡ること260年前に、禅師が、あるたった一人の赤の他人の大名あてに書き送った
真心のこもった手紙

 

これが後年「 延命十句観音経霊験記」という本になっていて、
延命十句経を普及させてきた泉源になっているらしいことを突き止めたわけです。

 


※私の場合は古書を購入しましたが、この本も都道府県立図書館経由で司書の方に頼めば取り寄せなどの方法で借りれるとは思いますので念のため

 

 

 

ですので、この源流( 熱源 )に、より近いとこをつぶさに分析して発信するほうが

 

ノイズを減らすことが出来て

 

より純粋なものがダイレクトに伝わり読者により多くの利益になるし
より深いものが伝えられてよいはず!

 

という思い入れみたいなのがありましたので

 

わざわざ260年も前のものを引用、紹介する形にしています。

 

( なお、私のサイトで興味を持った方で、延命十句経の方法に興味がそそられて深い実践を為さりたい方の場合は
私のサイトよりこの源流(泉源)の本で字を判読でき理解できるものを幾度も読むほうが
´打つ力´´こもった熱みたいなもの´があるので、実践力を高めるという点でよっぽどよいかもしれません。

 

江戸時代ということや、書いてる内容が強烈なとこがあるので
人を選ぶって言いますか価値判断は分かれるかもしれないけど・・ )

 

 

ちなみに

 

この本についても、今はすごい時代でして国会図書館デジタルコレクションで

 

手紙の内容が本になったものも以下のとおり無料閲覧できるんですが

 

 

延命十句観音経霊験記

 

 

字が達筆すぎて解読できない字もある。

 

 

 

重要なとこを誤読しちゃ不味い・・

 

 

 

 

サイトにアップする以上は責任があると思い
インターネット経由で久方ぶりに古本を購入して記事を執筆しています。

 

 

実践に際しては地に足をつけてフォーカスポイントをずらしたほうがよいと思ってますので
あくまで導入としての位置づけで、このサイトを執筆しましたが
さらに実践を深め進化させたい方は、「 延命十句観音経霊験記 」はお薦めなので図書館で借りるなり購入するなりして
お手元に置かれて、さらなる実践深化の糧にしてもよいのではないでしょうか?

 

 

 

 

私が大まかに理解した範囲で霊験記の逸話などを分析させていただくなら

 

 

心を込めて丹精を込めて念誦することで

 

想定外のルートから危機に瀕している人々を悩み(危機)から救い

 

解決に導く各人各様に合わせた不可思議な働き( 導き )をしていることを、この本を読むことで実感できます。

 

 

そうして、そういう体験を端緒にして

 

奔放になりがちな本能心を剋し

 

只今の一念を丁寧に処す端緒になって

 

霊験記に登場した方々が、そういう体験をきっかけに生活を立て直し

 

自己陶冶の足掛かりとなってることもこの本を読むことで何となく見えてくるものがありました。

 

 

 

合理的に説明できる範囲を超えたものについては
私も扱うのが難しい・・分析が困難ですけど

 

 

 

それならいっそのこと、心身相関の関係から

 

100人中50人くらいまでなら実感できる平均的範囲の功徳について研究し
実践すればいいし、これなら充分に説明可能と思っています。

 

 

併せて

 

連想を取り締まるだけでなく体質的に過敏、敏感な方などにも
心を神経生理の方面から鎮める作用のあるクンバハカと併せることで心を落ち着かせるのに、
この延命十句観音経は、相当に威徳あるお経だと思っています。

 

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